とび作業 工事現場

台風養生(鳶職の判断)

相手は自然なので判断は難しいでしょう

台風のシーズンになると強風で足場に負担がかかってしまい倒壊しないよう台風養生は現場において必須になります

ただ相手は自然なので強風と思ってガチガチに対策しても普通の雨程度だったり予報では軌道も外れるし強くないだろうと養生しなかったら強風が直撃し収拾がつかなくなる場合もあったりします

結論を言えば台風養生は面倒でもしておいた方がいいです

特に現場を任されて間もない方は私の過去の経験を参考にし対策して貰えれば急な判断時に対応しやすくなるでしょう

台風養生の基本

台風養生には現場の安全の為やらないといけない事も多くあります

壁つなぎが規定通りしっかりと取り付けられているか確認

不要な足場は撤去してしまう

外部シートが風の影響を受けにくくする為に丸めたり撤去しておく

設置してあるアンチ(布板)も風でロックが外れ飛んでいかないよう番線等で結束する

足場最上部へ単管でひうちを取り付けたり親綱等で補強する

不要材も飛ばされないよう番線等で固定する

仮囲いも補強の弱い所がないか確認し頑丈にする

朝顔の鉄板もできれば外し外部足場内へ結束しておく

他にも風の影響を受けやすい事務所や休憩所、トイレの屋根や旗も飛ばないよう養生する

対策しないといけない事はこうみても沢山ありどれも見逃せない項目です

現場は状況が毎日変わっていくので壁つなぎが知らないうちに外されてるという事も忘れてはいけません

外部足場のアンチも長い時間風を受けると振動でロックが外れてしまい宙を舞い飛んでいってしまうケースもあり街中や住宅街では大惨事になってしまう可能性まであります

このアンチ飛散防止の対策はとても時間がかかるので急に言われてしまうと絶句してしまうかもしれません

せめて1つおきに結束しておきたいところですが現場によっては全て結束する事を求められるので対応してあげましょう

 

契約状況も関わってきます

台風養生には常用で呼ばれる場合と工事が台風シーズンにかかるのを現場が見越して契約時に台風養生という項目で請け負いとして契約されてる場合もあります

契約に盛り込まれている場合はほとんどの現場が1回・2回というように回数単位で契約されており契約書を確認する事で把握できます

複数の現場を持ってる会社はとても忙しくなります

大きな現場を持っていれば持ってる程忙しくなってしまいますね

応援を呼べない場合は残業も覚悟しないといけないでしょう

住宅が近かったり周りに何も無く風をまともに受けやすいといった現場の環境も考え優先度を決定し周回する事も必要になるでしょう

 

私の経験から学ぶ

以前私が職長だった13階建てのマンション新築工事現場で台風が接近し現場の監督さんと打ち合わせしたところ監督さんは台風も大きくないから大丈夫という判断をしたので他の現場の台風養生をしてました

作業が終わり定時だったので帰ろうとしたら会社にその現場から電話がかかっており他の職人が台風養生へ呼ばれて既に行ってるとの事で私も急いで向かうことに。

既に風が強くなってきておりシートの紐を切るだけで精一杯の状況になってました

シートもバタついて丸める事さえできない程の強風になってましたね

夜20時頃までかかりようやく形になったので帰宅し台風が過ぎ去った次の日に現場へ行くと無残にもシートのほとんどが裂けてます

防音シートもかなり使っていたし外部シートのほとんどを貼り替えたりの費用も合わせて被害額は1000万近くいったのではないかと監督さんはうなだれてましたね・・・

監督さんが大丈夫と言っても養生する方をススメる事も大事だと勉強させられました

監督さんが結構だからと言ってもスルーしてはいけませんね・・・

 

こんな時だからこそ監督さんが納得できる対処をしよう

できれば監督さんがそこまでしなくてもいいよと思う程やっておきたいところです

困った時に親身に対応してあげると会社のイメージも上がるでしょう

反対に適当にしてしまうと雑な会社のイメージがついてしまい今後の付き合いに影響が出る可能性も考えられます

何より納得できる養生をしてると自分も夜安心して寝れますからね

 

これから台風のシーズンもやってきます

職長の判断はとても難しいですが是非適切な対応で乗り越えていきましょう

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