鳶職人が履いている形に特長のあるズボン
建設業界では七分(しちぶ)と呼ばれその独特のファッションに興味を持つ方も多く、あの服を着たくてこの鳶業界を選んだという若い子もいるくらいです
ネットで調べると私が先輩達から教わってきた七分の形の意味とは違う説明もあったので私の教わった意味も書いておきます
私が昔親方から教わった理由
私は昔の鳶職人さんが高所から墜落した時に服の1部がどこかに引っ掛かり命を救われたのが由来だと教わってます
それ以来、高所で作業する鳶職人さんは墜落してもどこかに服が引っ掛かり命が助かる可能性を上げる為にダボっとした幅の広い服を着るようになったそうです
今でこそ法律でも落下防止策がガチガチに規制されてますが私が鳶の世界に入った25年前でさえ大手のゼネコン以外では墜落防止ネットも無ければ命綱も装着せずヘルメットさえ被らない現場も多かった時代でしたからね
鉄骨の建方で本締めもしてないグラグラして不安定な鉄骨を歩いて渡るのも命がけです
七分がセンサーの役割をし障害物を察知できるという理由もありますがそれだと建設業のほぼ全員が七分になってもよさそう
大工さん、ペンキ屋さん、鉄筋屋さんも七分が主流になってるはずですね
大工さんや鉄筋屋さんで七分を履いてる方もいますがほとんどの方はニッカポッカと呼ばれるダボっとしたストレートの形をしたズボンを履いてます
七分を履いて作業した方なら分かると思いますが足場のピンや他の障害物に引っ掛かり過ぎて逆に動きにくいものなのです
自分の好きな服を着ればいい
近年は現場の安全面が強化されてきて落下防止ネットや安全帯の完全着用も義務付けられており、墜落する危険が減ったからなのか平ズボンと呼ばれるダボっとしていないストレートのズボンを履く方も急増してきてます
ファッション性も向上してきてて見た目もオシャレで着こなせば恰好よくなってますね
私も鉄骨だとズボンを梁の角に引っ掛けて破いてしまうので建方だと平ズボン、足場だと動きやすい七分と現場によって使い分けるようになってきています
自分が作業しやすい服を着るのに理由はいらないでしょうが私が代々教わってきた七分の理由もこうやって後世に伝えれたらと思います
ちなみによく時代劇などに出てくる火事のシーンで屋根の上に立ち大きなデンデン太鼓のような物を持って危険をいち早く知らせている方が鳶の由来となっております
こちらも後世に伝えて残したいとび職の歴史ともいえるでしょう
それでは。